川北町の小中学校に『ゲン』を寄贈

室谷敏彦教育長(右)に寄贈する西川先生

 核戦争を防止する石川医師の会(以下、反核医師の会)は2021年9月16日、川北町の小学校3校、中学校1校に漫画『はだしのゲン』(中沢啓治作/全10巻)を4セット、NPO法人はだしのゲンをひろめる会から英語版『Barefoot Gen』1セットを寄贈しました。今回の『はだしのゲン』寄贈は、反核医師の会世話人の西川忠之先生(能美市・開業医)が川北町の前哲雄町長に直接働きかけて実現したものです。

■事前に平和教育アンケートを実施

 川北町教育委員会に協力いただいた「はだしのゲン」所蔵状況・平和教育に関するアンケートには各校から誠実な回答がありました。

【川北中学校】
三年時の広島修学旅行の関係で総合的な学習の時間をとってしっかり学習している。

【中島小学校】
運営委員と図書委員の児童が、平和や戦争に関する本の読み聞かせをした。

【川北小学校】
全校登校日(8月6日)に校長講話を行い、戦争(平和)に関する読み聞かせ等を行っている。人権週間に人権推進委員の方にお話しいただいている内容にも平和について触れている。

【橘小学校】
8月6日、全校登校日に校長の平和の話を聞いた後、「平和の子ら」を歌う。平和に関する読み聞かせを聞く。

■『はだしのゲン』寄贈式にて

 9月16日、川北町文化センターの寄贈式には川北町から室谷敏彦教育長、東誠課長、反核医師の会から西川世話人、小野栄子事務局員、ひろめる会から神田順一理事が出席し、各校のアンケート回答にもとづき懇談しました。

室谷教育長の発言を紹介します。

室谷敏彦教育長(右)に寄贈するはだしのゲンをひろめる会理事・神田さん

  • 〇 私は教員出身で、平和学習の一環で中学生の修学旅行で何度も広島に行き、被爆者の方のお話を聞かせていただきました。生徒らには被爆体験の生のお話は貴重であり、原爆資料館の見学は大変衝撃的でした。
  • 〇 中学三年の修学旅行は4月から5月にありますが、2年の3学期から平和学習のプログラムを組んでかなりの時間を割いて行っています。また平和学習や修学旅行で学んだことを1、2年生に伝える活動も行っています。
  • 〇 昨年、今年とコロナ禍で修学旅行が中止になったのは大変残念です。コロナの影響はまだわかりませんが、次年度以降も広島への修学旅行は続けたいと考えています。
  • 〇 コロナで色々な制約がありますが、子ども達の自主性を育む教育も行われており、コロナ以前の社会に戻ってもこのような取り組みは続けていきたいと思います。

■県内全市町の小中学校に『ゲン』寄贈・配本を

 反核医師の会では、核戦争による被爆の実相を子どもたちに伝える平和教育の図書として県内の小中学校への『はだしのゲン』寄贈活動を2011年から続けており、これまで12市町の小中学校に日本語版83セット、英語版5セットを寄贈しています。これで県内での未寄贈は5市町(珠洲市、加賀市、羽咋市、穴水町、能登町)、寄贈不要の回答は2市町(小松市、津幡町)になりました。

 反核医師の会では引き続き、県内全ての市町の小中学校への『はだしのゲン』の寄贈・配本を目標にしています。

はだしのゲン50周年

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