2016年10月27日の
国連総会第一委員会で、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉開始を始めるとの決議が、123か国の賛成多数で採択しました。一方、日本政府は「核保有国と非核保有国の間の対立をいっそう助長し、亀裂を深めるもの」との理由で「反対」しました。
石川反核医師の会は、10月31日、「被爆者の願いに背く核廃絶交渉開始決議への「反対」表明に抗議する」を安倍晋三首相と岸田文雄外相宛てに送りました。抗議文は以下をご覧ください。
2016年10月31日
安倍晋三内閣総理大臣殿
岸田文雄外務大臣 殿
核戦争を防止する石川医師の会
代表世話人 白崎 良明
被爆者の願いに背く
核廃絶交渉開始決議への「反対」表明に抗議する
10月27日、オーストリアやメキシコなどの55カ国以上の国々が国連総会第一委員会に共同提案した「核軍備の縮小撤廃に関する多国間交渉を推進する」という決議が123カ国の賛成多数で採択されました。しかし、日本政府は核保有国と非核保有国の対立助長などを理由に、この決議案に反対を表明しました。日本政府が、核兵器禁止条約の交渉開始に向けた決議に反対したことは、唯一の戦争被爆国の政府としての国際的な使命に背き、核廃絶を願う国際世論に対する裏切りであり、断固抗議します。
同決議は、2017年に、核兵器を法的に禁止し、核兵器の完全廃棄に至る条約の交渉を行う会議を開くことを求めたもので、核兵器が非人道的であるとの国際世論の高まりを受けて多数の国々の支持をもとに提案されたものです。核兵器保有国の常軌に逸した圧力にもかかわらず、この決議に賛同した国々に対して心から敬意を表します。そして、核兵器禁止条約の交渉開始を求めて運動してきた国際NGOや市民の皆さんに連帯することを表明します。
核兵器を禁止することは、世界の安全保障に資すること、そして未来の子どもたちに安心・安全な地球を手渡すことにつながることに疑いの余地はありません。
日本政府は、参加表明をしている来年開催予定の核兵器禁止条約に関する会議において、核兵器禁止と核兵器の完全廃棄にむけた法的拘束力のある条約を可能な限り早急に締結する立場で、被爆国日本にふさわしい積極的な役割を果たすことを強く要求します。
なお、私たち核戦争を防止する石川医師の会は、10月25日に外務省に対して、日本国政府が核兵器廃絶にむけて積極的な行動をとるとともに、この決議に賛成すること、またそれが難しい場合でも反対票は投じないよう要請したことを申し添えます(以下<参考>をご参照ください)。
<参考>
10月25日に当会が外務省ホームページのご意見欄に投稿した国連総会決議に関する要請文
外務大臣 岸田文雄様
私たちは、核兵器を禁止し全面的廃棄に導く法的拘束力のある文書を交渉する会議の2017年開催を求める、国連総会第1委員会に提出されている決議案/L.41″Taking forward multilateral nuclear disarmament negotiations”が、幅広い支持によって採択されることを願う立場から、日本の投票行動に強い関心を抱いています。
唯一の戦争被爆国として「非核兵器国と核兵器国に橋をかける」ことを旨としている日本が、上記決議案に賛成票を投じることがもっとも望ましいことはいうまでもありません。仮に賛成が難しくとも少なくとも「反対」票を投じないことによって、日本が今後の条約交渉に有意義な貢献ができる道を残して頂きたいと思います。
どうか、賢明なご判断をもって投票に臨むことを強く要望いたします。
核戦争を防止する石川医師の会
代表世話人 白崎 良明
