2017年10月6日、ノルウェー・ノーベル委員会は、今年の平和賞を国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に授与すると発表しました。当会では、10月20日、このノーベル平和賞受賞に寄せて、声明「核兵器禁止条約の制定に貢献したICANのノーベル平和賞受賞を心より歓迎する」を発表しました。

2017年10月20日
核兵器禁止条約の制定に貢献した
ICANのノーベル平和賞受賞を心より歓迎する
核戦争を防止する石川医師の会
被爆者と核廃絶を求める世界中の人々の強い願いが実を結び、本年7月に核兵器禁止条約が制定された。さらに、この条約制定まで主導的役割を果たしてきた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に対し、2017年のノーベル平和賞が授与されることが決定した。
ICANは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の提起によって2007年に発足し、核兵器禁止条約の交渉開始を求めて活動してきた国際非政府組織(NGO)である。
私たち「核戦争を防止する石川医師の会」は、2008年からICANに賛同し、県内の被爆者とともにICANが提起したNuclear Abolition Day(核兵器廃絶国際行動デイ)の記念イベントを開催するなど、条約制定を求める取り組みを石川から発信してきた。ICANの受賞は、世界各地のこのような活動の総体が評価されたものと捉え、ICANのノーベル平和賞受賞を心から歓迎する。また、ICANとともに世界中で被爆の実相を伝え、核兵器の非人道性を告発してきた被爆者の皆さんに心から敬意を表する。
ノルウェー・ノーベル委員会は、ICANの受賞理由について「核兵器の使用が人道上、破滅的な結果をもたらすことへの関心を高め、核兵器禁止条約の制定に向けて革新的な努力を尽くした」と述べたうえで、核保有国とその傘下にある同盟国に対して核兵器禁止条約への署名・批准を強く求めている。また、ICAN加盟団体である平和首長会議も、「現在の『核抑止』に依存する安全保障体制から脱却し、多様な国際社会の相互理解、相互協力を促進する方向で安全保障体制を実現する」よう国連・各国政府に要請している。
ところが、〝核保有国と非核保有国の橋渡し役〟を自任してきた日本政府は、核抑止力=「核の傘」に固執し、条約不参加を表明している。また、日本政府が10月12日に国連総会第1委員会(軍縮)に提出した「核兵器全廃決議案」は、核兵器禁止条約について触れていないばかりか、核廃絶の文言が昨年よりも弱まっていることに失望の念を禁じ得ない。国際社会が日本政府に求めていることは核兵器国の代弁者ではない。「核抑止力」依存策から脱却し、率先して核兵器禁止条約に署名・批准することであり、唯一の戦争被爆国として責務を全うすることである。
私たちは、ICANのノーベル平和賞受賞を契機に、医師の社会的責任として「核兵器の非人道性」の理解を広げる取り組みの重要性を再確認し、決意を新たにした。核戦争を防止する石川医師の会は、被爆の実相を知らせる取り組みに一層尽力するとともに、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える「ヒバクシャ国際署名」運動をさらに推進し、核兵器禁止条約への署名・批准を日本政府に求めていく。
(注)平和首長会議には2017年10月1日現在、県下の19市町(100%)、国内では1,687市町村(98.2%)、世界では162か国・地域7,453都市が加盟している。
