声明文・抗議文

漫画『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を求めます

 中沢啓治さん原作の漫画『はだしのゲン』について、松江市教育委員会が2012年12月に、市内の全小中学校に教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたこと、さらには児童生徒への貸出禁止も要請していたことが分かりました。

核戦争による被害や被ばくの実相を子どもたちに伝える参考著書として、漫画『はだしのゲン』を石川県内の小中学校に寄贈する運動に取り組んでいる当会では看過できない問題として、この度、松江市教育委員会に抗議文を送付しました。抗議文は以下をご覧ください。

2013年8月21日  

松江市教育委員会   委員長 内藤 富夫 殿  

核戦争を防止する石川医師の会
代表世話人 白﨑良明

漫画『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を求めます        

 私たちは、生命と健康を守る医師の責任として、核兵器のない世界を実現し、未来の子どもたちに平和で豊かな地球を引き継ぐために、市民のみなさまと共に活動している医師・歯科医師の団体です。    
 核兵器の持つ残虐性・非人道性。広島・長崎の被ばく体験をもつ日本人は、誰よりもそれを知っているはずです。再び同じ過ちを繰り返さぬために、私たちに一体何ができるのでしょう。それは決して過去を覆い隠すことではありません。過去の現実をできるだけ正確に後世に伝える。それこそが私たちにできる唯一の方法です。  
 核兵器のもたらす悲劇を後世に伝える。伝えなければならない。この痛みを風化させてはならない。被爆者が高齢化し、語り部が少なくなっている現在、漫画『はだしのゲン』は、人類史上最大の悲劇を未来へ継承するための、得難い手段なのです。それどころか、その作品は今や人類共通の財産として、世界中から高く評価されています。
  私たち医師の会は、2011年より、核戦争による被害や被ばくの実相を子ども達に伝える参考図書として、『はだしのゲン』を石川県内の小中学校に寄贈する運動に取り組んでいます(現在までに石川県内小中学校39校に寄贈。本年9月にはさらに20校に寄贈予定)。各市町の教育委員会を通じて実施した小中学校に対する寄贈希望調査では、所蔵していない学校はもちろんのこと、所蔵している学校からも寄贈希望が多く寄せられました。これは、子ども達に好んで読まれるために破損や欠巻が多いからです。このように『はだしのゲン』は、学校図書室を通じて、子どもから子どもへと世代を超えて読み継がれてきました。もし、「ゲン」という存在が無ければ、私たちは何をもって戦争・核兵器の悲惨さを子ども達に伝えればよいのでしょう。暴力、差別、いじめ。そうした現実を子ども達に何とか伝えたい。それ故、原作者の中沢啓治さんは敢えて漫画として、「ゲン」を世に送ったのです。   彼らから、学ぶ機会を奪わないでください。『はだしのゲン』を読むか、読まないか。そこから、何を学ぶか。あるいは学ばないか。それらはすべて子ども達自身にこそ委ねられるべきものです。    
 私たちは『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を強く求めます。          

 <事務所> 核戦争を防止する石川医師の会
〒920-0902石川県金沢市尾張町2-8-23 
太陽生命金沢ビル8階 (石川県保険医協会内)

 

 

東京電力福島第一原発事故に対する声明を発表

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震と大津波により、東京電力福島第一原発事故が発生しました。原発からは大量の放射性物質が放出され、大気、水、土壌、農作物、海産物の放射能汚染が広がっています。
石川反核医師の会では4月13日、「東京電力福島第一原発事故に対する声明」を政府、東京電力、石川県、北陸電力、石川県内のマスコミ各社に送付しました。

 

東京電力福島第一原発事故に対する声明

                              2011年4月13日

核戦争防止石川医師の会

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は最悪のレベル7に評価されることになった。3月11日の地震と大津波の被害に加え、原発事故の収束が長引くなかで放射能の人体への影響に対する不安と恐怖は被災地の住民のみならず、国内外に高まりつつある。

 核戦争を防止する石川医師の会は、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャをかかげて運動を進めてきた被爆者の心情に共感し、人間の生命と健康をまもるために核戦争を防止し、核兵器を廃絶するために市民のみなさんと活動を進めてきた。

私たちは今回の事故による放射能汚染が極めて深刻な事態になることを懸念している。政府はモニタリング結果を医用レントゲン検査時の数値と並べて「ただちに人体に影響するレベルでない」としてきたが、揮発性の高いヨウ素131、セシウム137,134、などが早期に大量に放出され、拡散したこと、事故現場にはウラン、ストロンチウム、プルトニウムなど大量の放射性物質で汚染されていることは明らかである。

4月12日になって原子力安全・保安院と原子力安全委員会は今回の事故で大気中に放出された放射性物質総量は数十万ベクレルに達していると報告したが、政府が安全・安心を言いたいがために都合のよいデータのみを公表し、かえって被災住民・国民の不安・恐怖を増大させ、放射能被曝と汚染被害の拡大をまねいていること、さらに急性の外部被曝のみに矮小化して未来の子供たちに影響を与える内部被曝については取り上げていないことに強い憤りを覚える。

 核戦争を防止する石川医師の会は、今回の事故による放射能被害の拡大を防ぎ、再び同様の事故を絶対起こさないために、政府と東京電力、石川県、北陸電力に以下の点を強く要望する。

(1)政府・東京電力は最悪の事態である炉心溶融・再臨界を避けるために国内外の専門家・技術者の総意を集めて事故収束を図ること。

(2)政府は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムをフル稼動させ、積算外部被曝放射線量を公表するとともに退避などの具体的な被曝回避計画設定、住民への説明、実施を行うこと。

(3)石川県・北陸電力は志賀原子力発電所の運転再開を中止すること。

(4)各関係機関は核兵器に転用されうるプルトニウムをはじめ、処理不能の放射性物質を大量に生み出す原子力発電計画を即刻中止すること。そして電力の需要を見直し、国内外で取り組み始められている再生可能な自然エネルギーの活用政策を早急に検討すること。

 

はだしのゲン50周年

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