日本被団協のノーベル賞受賞に際し、声明を発表しました

2024年10月11日、ノルウェー・ノーベル委員会が今年の平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表したことを受けて、当会では声明「日本被団協のノーベル平和賞受賞を心より歓迎する」を本日発表しました。

2024年10月18日

日本被団協のノーベル平和賞受賞を心より歓迎する

核戦争を防止する石川医師の会
代表世話人 江守 道子

2024年10月11日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に対し、今年のノーベル平和賞を授与することが発表された。日本被団協、被爆者運動に関わってこられた先達に心より敬意を表するとともに、核兵器のない平和な未来に向けて不断の努力を続けておられるすべての方とともにこの快挙を喜び合いたい。

被爆者の方々は、放射能による健康被害に加えて、いわれなき偏見や差別に苦しみながら1956年8月に日本被団協を設立し、国への補償を求める活動に加えて、報復ではなく和解の道を選び、核兵器のない世界を作るために国内外への発信に尽力されてきた。

 石川県においても、1960年に元日本被団協顧問の岩佐幹三氏らを中心に「石川県原爆被災者友の会」が発足。2022年3月末に高齢化等を理由に解散となったが、長きにわたり石川県における平和運動を牽引され、解散した今もなお元会長の西本多美子氏らが石川県内外で被爆証言など諸活動に尽力されている。

ノルウェー・ノーベル委員会は、日本被団協の受賞理由について、被爆者が筆舌に尽くしがたい被爆体験を語り、核兵器の非人道性を全世界に発信してきたことに加えて、日本への原爆投下以降、約80年間にわたり戦争で核兵器が使用されたこなかった事実に触れて、日本被団協ならびに被爆者の並々ならぬ努力が「核のタブー」という規範の確立に貢献してきたことを挙げている。

この朗報に際して、岸田文雄前首相や林芳正官房長官が記者会見やSNSを通じて祝意を示しているが、石破茂首相は9月の自民党総裁選で「核共有」の議論の必要性を訴えており、非核三原則からも断じて容認することはできない。

さらには、従来、“核保有国と非核保有国の橋渡し役”を自任してきた日本政府は、過去2回の核兵器禁止条約締約国会議にも不参加であった。2025年3月には第三回締約国会議の開催も控えているが、今月12日に開催された党首討論会においても石破首相はオブザーバー参加に対して慎重な姿勢を崩していない。同条約に参加し、核廃絶に向けリーダーシップを発揮することが日本被団協、被爆者に対して日本政府ができる唯一の慶祝であり、唯一の戦争被爆国としての責務であると真に訴えたい。

私たちは、この日本被団協のノーベル平和賞受賞を契機に、医師の社会的責任として「核兵器の非人道性」の理解を広げる取り組みの重要性を再確認し、ここに決意を新たにするものである。核戦争を防止する石川医師の会は、被爆の実相を知らせる取り組みに一層尽力するとともに、被爆者の悲願である核兵器禁止条約への署名・批准を日本政府に求めていく。

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